任意整理をした場合の返済期間
1 任意整理をした場合の返済期間に明確な決まりはない
任意整理は、自己破産などの法的手続きと異なり、貸金業者との直接の交渉により、それ以降の返済条件を決めていく手続です。
そのため、極端なことを言えば、貸金業者が認めてくれるのであれば10年払いのような長期間の返済でも可能ということになります。
2 一般的には3~5年払いになることが多い
もっとも、一般的には、任意整理での返済条件は、3~5年払いというものになることが多いです。
期間に幅があるのは、貸金業者の方針や、債務者の方のそれまでの返済実績によって、貸金業者の対応が変わってくることがあるためです。
任意整理が成立する余地があるかどうかを考えるにあたっては、まずは残っている債務額を一般的な返済の最長期間である5年(60回払い)で返済すると仮定し、その場合に返済することになる金額を毎月捻出できるかどうかということを慎重に確認することになります。
3 どのような場合に短期間での返済を求められるか
貸金業者によっては、返済期間をそもそも2~3年払いまでしか認めていないということもあります。
任意整理は任意の交渉である以上、こちらの要求を貸金業者に強要することはできないため、そのような業者については2~3年払いで返済していくものとして考える必要があると言えます。
その他ですと、これまでの返済実績が乏しいケースにおいては、長期の分割払いを認めてもらいにくいという傾向があります。
このあたりも業者によって異なりますが、返済実績が2,3年程度だと返済実績が豊富ではないものとして扱われ、3~4年での返済を求められることなどもあります。
返済実績が1年未満であったり、数か月しか返済していなかったりする場合などは1~2年での返済を求められることもあるため、元々の月の返済額より増えてしまうこともあり得ます。
そのため、極端に返済実績が少ない借入先がある場合は、任意整理をするかどうかよく検討する必要があると考えられます。
また、残債務額が10万円や20万円など少額の場合には、長期分割だと月額が少額になりすぎるという理由から、毎月の返済額を一定額以上にするよう求められることもあります。